泌尿器科

膀胱炎

女性に多い膀胱炎は、主に細菌感染により引き起こされます(例外もあります)。男性で膀胱炎にかかる方は少ないです。
排尿痛・頻尿・膿尿などの症状が見られ、発熱を伴わないのが特徴です。

女性は肛門と尿道口が近く、さらに尿道の距離が短いので、細菌(多くは大腸菌)が膀胱に侵入しやすい体の構造になっています。
膀胱には菌に対する防御力が備わっていますが、ストレスや疲労により免疫力が落ちると細菌の繁殖を防げず、膀胱炎になってしまいます。

膀胱炎の症状

  • 排尿痛(とくに排尿の終わり頃)
  • 頻尿
  • 残尿感
  • 白っぽい尿(膿尿といいます。細菌と白血球が戦ったあとの膿が混在しています)
  • 下腹部の違和感 (下腹部や尿道口の痛み・不快感など )
  • 血尿 

これらの症状がある方は膀胱炎を疑ってみる必要があります。

※通常発熱は伴いませんが、これらの症状を我慢している内に発熱・腰痛が出てきた場合は、細菌感染が腎臓まで広がり腎盂腎炎になっている可能性があります。急いで受診してください。

膀胱炎になりがちな要素

長時間のトイレの我慢

溜まった尿の中で細菌が増えます。

水分摂取量の不足

尿の濃度が濃くなり細菌が増えやすくなります。

風邪、ストレス、過労などによる体力低下

細菌に対する抵抗力がよわまります。

生理時、性交の前後のケア不足

ナプキンはマメに取り替えましょう。
性交後は早めの排尿で菌を流してしまいましょう。

膀胱炎の検査

膀胱炎になっているかの判断は、主に尿検査により短時間で確定できます。
しかし炎症を起こしている菌が複数・複雑なものである場合もあるので、状態を見ながら必要な検査を行います。

尿検査

尿中に白血球や赤血球、細菌がいないかを確認します。10分以内で検査は終了します。

細菌培養検査

普通の抗生剤(菌をやっつける薬)では効果が見られない時に提出することがあります。

膀胱鏡

ごくまれに無菌性(細菌感染と関わりなく)膀胱が炎症を起こしている場合もあります。
この場合尿結石や腫瘍などの可能性が考えられますので、膀胱鏡で膀胱内を検査します。

治療方法

抗生物質(飲み薬)を3-5日服用頂きます。

症状が良くなってもかならず最後まで飲みきってください。再発防止のためにも細菌を死滅させることが大切です。

大体1週間後に再検しています。尿の中の細菌を確認します。

治ったからと言って省略せず、必ず受診してください。

膀胱炎を繰り返さないために

膀胱炎は体内の免疫力と関わりが深く、体力が落ちている人や環境によっては再発・慢性化しやすい病気です。

生活習慣や環境改善を行い、こまめな水分摂取・定期的なトイレの使用を気がけて再発を防ぎましょう。

漢方薬の使用も有効です。