泌尿器科

前立腺肥大

前立腺は男性のみにある臓器で、膀胱の下に尿道を取り囲むようにして存在します。
前立腺は年齢を経る毎に大きくなりますが、それには個人差があります。
大きくても症状を来さない方もおられますし、逆に小さいのに症状を呈される方もいらっしゃいます。
主な症状としては頻尿、残尿感、排尿困難などです。

治療・お薬

お薬での治療

前立腺肥大症に対し使われるお薬は、α1アドレナリン受容体遮断薬、5α還元酵素阻害薬、抗アンドロゲン薬、 PDE5(ホスホジエステラーゼ5)阻害薬、生薬などに分けられます。

α1受容体遮断薬

排尿困難に対し、よく処方されるお薬です。尿道を取り囲む前立腺の緊張を和らげることで、尿の通りを良くしてくれます。膀胱にも働き、頻尿や尿意切迫感を和らげる効果があることがわかってきています。

5α還元酵素害薬

男性ホルモン(テストステロン)が、前立腺組織に作用するのを抑えるお薬です。 前立腺細胞の増殖を抑制することで、前立腺が小さくなります。

抗アンドロゲン薬(抗男性ホルモン薬)

5α還元酵素阻害薬と異なる作用でテストステロンの作用を抑える薬です。 この薬は血血液中のテストステロン値を低下させるために、勃起障害や性欲低下などの性機能障害の副作用がみられることがあります。

PDE5阻害薬

PDE5阻害薬は膀胱頸部・尿道および前立腺の平滑筋を弛緩して前立腺肥大症に伴う下部尿路症状を改善します。

生薬

植物から抽出したエキスを薬にした生薬を処方することもあります。

前立腺縮小手術

前立腺を経尿道的に削り、尿道を拡げてあげる手術です。 前立腺の体積が非常に大きい方だと、お腹を開けて前立腺を取る手術を選択することもあります。
しかし、手術の技術も進み、その殆どが経尿道的な手術で対応できるようになってきています。
当院で手術はおこなっておりませんので、手術を行っている病院へのご紹介をいたします。

前立腺肥大において気をつけること・ご注意

  • 前立腺は年月を経てゆっくり大きくなります。尿の出にくさも日々ゆっくり進行しますので、 ご本人に自覚がないことがあります。 自覚のないまま、尿が出にくい状態に感覚が慣れると、膀胱の中に尿が残った状態が続き、 膀胱に負担がかかります。別の病気(水腎症など)を引き起こす恐れもありますので、 気になる症状がある場合は、我慢せずまずは診察を受けてみましょう。
  • 前立腺肥大症において、辛い食べ物の摂取やお酒の飲み過ぎは症状を悪化させる恐れがありますので、控えたほうがよいでしょう。
  • 風邪薬の中にも症状を刺激してしまうものがありますので、 「抗ヒスタミン薬」などの系統のお薬は避ける必要があります。 こうした注意事項に付きましても、クリニックで丁寧にご説明しますので、なんでもご相談ください。

診察にあたりプライバシーへ配慮はしてもらえますか?

当院ではまず初診受付の際にアンケートによる問診を行っております。
基本的に、男性患者様には男性スタッフが対応いたします。診察室・検査室も個室をご用意しておりますので、 安心してご相談ください。